以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で放送されていた内容です。
38歳で糖尿病を患い、その後も不摂生な生活が続いた結果、脳の血管の動脈硬化から63歳の時に脳梗塞を起こしたO・Kさん。2年後には腎臓の動脈硬化が原因で腎不全になり、人工透析を余儀なくさます。
さらにその2年後には、足が夜も寝られないほど強く痛むようになり、ついには指先が黒ずみ、甲全体が赤紫になりました。病名は「閉塞性動脈硬化症」。医師から、足の壊死を食い止めるためには足首もしくは膝下から切断するしかない、と宣告されてしまいます。
そんな絶望の淵に立たされたO・Kさんを救ったのは、千葉西総合病院の三角和雄医師であり、それを可能としたのは、カテーテル治療でした。
閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans; ASO)とは、腹部大動脈または四肢の主要動脈が粥状硬化病変のために狭窄または閉塞して、四肢に慢性の循環障害をきたす疾患です。
国内の国立循環器病センターにおける20年間のまとめによると、同施設の年間症例数は増加傾向を続けており、1980年代前半は年間40例前後であったものが、1990年代前半には年間100例にまで増加しているそうです。
粥状動脈硬化の危険因子を背景としていますが、特に喫煙の影響が顕著です。上肢には少なく、下肢動脈系の大腿動脈、膝窩動脈、腸骨動脈、腹部大動脈の順に多いですが、通常は複数の病変を認められます。病理学的には、粥状硬化病変の潰瘍形成・石灰化・出血・血栓付着のために内腔が閉塞または狭窄を起こしています。
安静時には血管内腔断面積が75%以下になると血流減少が起こります。運動時には安静時の10倍以上の血流が必要とされるため、歩行時などには運動に見合った血流が供給できなくなると、虚血症状が出現することになります。この状態が持続すると側副血行路が発達し始めます。
粥状硬化巣の破裂、血栓形成で急性閉塞が起こった場合には、急激な虚血のために突然罹患側の激しい疼痛で発症します。
症状としては、間欠性跛行が特徴的です。これは、一定の距離を歩くと下腿の筋に疲労感・疼痛が生じます。休息により数分で軽減するので、再び歩行が可能となります。
安静時疼痛は虚血の進行に伴います。筋肉・皮膚・神経の虚血症状で虚血性神経炎になると夜間臥床時の疼痛を訴えます。男性で、インポテンツを伴うものは Leriche(ルリッシュ)症候群と呼ばれます。
症状と重症度を表すのには、Fontaine(フォンテーン)分類が用いられます。
視診では四肢、指の色と形態を観察します。蒼白、チアノーゼ、皮膚・筋の萎縮、爪の変形、潰瘍病変の有無を観察します。触診では、罹患側で皮膚温が低下し、動脈の拍動も減弱または消失しています。体表面から通常、触知可能な動脈を触診し、特に左右差を比較します。
聴診では血管雑音を頸部、鎖骨下、腹部、鼠径部、四肢で聴取します。これらは主に狭窄病変において聴かれますが、完全閉塞していればその部位では聴かれないことになるので注意が必要です。また、有意狭窄でなくても動脈内腔の不整や蛇行による乱流のために聴かれる場合も多いです。
血圧測定は聴診器またはドプラ血流速計を用いて四肢の各部で行います。正常上肢の血圧に対しての比を求めて血圧比(pressure index)とします。
足関節/上腕血圧比(ankle-brachial pressure index; API)は一般的に用いられています。正常APIは > 0.9 です。上肢での左右差は 20mmHg 以上、下肢の分節的血圧測定法では大腿上部、膝上部、膝下部、踝上部の血圧測定を行い、15 mmHg 以上の血圧低下部位から狭窄を推定します。
超音波検査ではBモード法で動脈病変部の狭窄を内腔の形態から観察可能です。さらに、カラードプラ法、パルスドプラ法を併用して、乱流の有無、血流速波形・血流速度記録を行って狭窄・閉塞病変部を診断します。
X線CTでは、血管の内腔・壁の性状がわかると同時に、周辺臓器との関連が検討可能となります。3次元再構築を行えば立体的な情報が得られます。また、MRアンギオグラフィー(MRA)では非侵襲的に動脈の走行,狭窄部位が推定可能です。
確定診断は、血管撮影によって行います。血管造影は病変部より中枢側にカテーテルを留置し、造影剤を注入します。狭窄・閉塞病変の部位,範囲,程度,側副血行路が最も正確に診断可能です。近年では、これらの診断からカテーテル治療へと応用されています。
閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療は、以下の通りです。続きを読む
38歳で糖尿病を患い、その後も不摂生な生活が続いた結果、脳の血管の動脈硬化から63歳の時に脳梗塞を起こしたO・Kさん。2年後には腎臓の動脈硬化が原因で腎不全になり、人工透析を余儀なくさます。
さらにその2年後には、足が夜も寝られないほど強く痛むようになり、ついには指先が黒ずみ、甲全体が赤紫になりました。病名は「閉塞性動脈硬化症」。医師から、足の壊死を食い止めるためには足首もしくは膝下から切断するしかない、と宣告されてしまいます。
そんな絶望の淵に立たされたO・Kさんを救ったのは、千葉西総合病院の三角和雄医師であり、それを可能としたのは、カテーテル治療でした。
閉塞性動脈硬化症とは
閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans; ASO)とは、腹部大動脈または四肢の主要動脈が粥状硬化病変のために狭窄または閉塞して、四肢に慢性の循環障害をきたす疾患です。
国内の国立循環器病センターにおける20年間のまとめによると、同施設の年間症例数は増加傾向を続けており、1980年代前半は年間40例前後であったものが、1990年代前半には年間100例にまで増加しているそうです。
粥状動脈硬化の危険因子を背景としていますが、特に喫煙の影響が顕著です。上肢には少なく、下肢動脈系の大腿動脈、膝窩動脈、腸骨動脈、腹部大動脈の順に多いですが、通常は複数の病変を認められます。病理学的には、粥状硬化病変の潰瘍形成・石灰化・出血・血栓付着のために内腔が閉塞または狭窄を起こしています。
安静時には血管内腔断面積が75%以下になると血流減少が起こります。運動時には安静時の10倍以上の血流が必要とされるため、歩行時などには運動に見合った血流が供給できなくなると、虚血症状が出現することになります。この状態が持続すると側副血行路が発達し始めます。
粥状硬化巣の破裂、血栓形成で急性閉塞が起こった場合には、急激な虚血のために突然罹患側の激しい疼痛で発症します。
閉塞性動脈硬化症の診断
症状としては、間欠性跛行が特徴的です。これは、一定の距離を歩くと下腿の筋に疲労感・疼痛が生じます。休息により数分で軽減するので、再び歩行が可能となります。
安静時疼痛は虚血の進行に伴います。筋肉・皮膚・神経の虚血症状で虚血性神経炎になると夜間臥床時の疼痛を訴えます。男性で、インポテンツを伴うものは Leriche(ルリッシュ)症候群と呼ばれます。
症状と重症度を表すのには、Fontaine(フォンテーン)分類が用いられます。
I度 :冷感、しびれ感このような分類により、重症度判定が行われます。
II度 :間欠性跛行
III度:安静時疼痛
IV度 :虚血性潰瘍・壊死形成
視診では四肢、指の色と形態を観察します。蒼白、チアノーゼ、皮膚・筋の萎縮、爪の変形、潰瘍病変の有無を観察します。触診では、罹患側で皮膚温が低下し、動脈の拍動も減弱または消失しています。体表面から通常、触知可能な動脈を触診し、特に左右差を比較します。
聴診では血管雑音を頸部、鎖骨下、腹部、鼠径部、四肢で聴取します。これらは主に狭窄病変において聴かれますが、完全閉塞していればその部位では聴かれないことになるので注意が必要です。また、有意狭窄でなくても動脈内腔の不整や蛇行による乱流のために聴かれる場合も多いです。
血圧測定は聴診器またはドプラ血流速計を用いて四肢の各部で行います。正常上肢の血圧に対しての比を求めて血圧比(pressure index)とします。
足関節/上腕血圧比(ankle-brachial pressure index; API)は一般的に用いられています。正常APIは > 0.9 です。上肢での左右差は 20mmHg 以上、下肢の分節的血圧測定法では大腿上部、膝上部、膝下部、踝上部の血圧測定を行い、15 mmHg 以上の血圧低下部位から狭窄を推定します。
超音波検査ではBモード法で動脈病変部の狭窄を内腔の形態から観察可能です。さらに、カラードプラ法、パルスドプラ法を併用して、乱流の有無、血流速波形・血流速度記録を行って狭窄・閉塞病変部を診断します。
X線CTでは、血管の内腔・壁の性状がわかると同時に、周辺臓器との関連が検討可能となります。3次元再構築を行えば立体的な情報が得られます。また、MRアンギオグラフィー(MRA)では非侵襲的に動脈の走行,狭窄部位が推定可能です。
確定診断は、血管撮影によって行います。血管造影は病変部より中枢側にカテーテルを留置し、造影剤を注入します。狭窄・閉塞病変の部位,範囲,程度,側副血行路が最も正確に診断可能です。近年では、これらの診断からカテーテル治療へと応用されています。
閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療
閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療は、以下の通りです。続きを読む