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パニック障害

パニック障害を発症後、13年間闘病していた−島田紳助さん

2009年09月26日放送の「島田紳助の想い出オークション」にて、長嶋一茂がゲスト出演していた。そこで、「自分はパニック障害をもっている。食事中に、言いしれぬ不安感と呼吸困難感を感じた」と話していた。野球選手として、偉大な父をもつ息子として、彼はプレッシャーやストレスにさらされ続けた。その結果、パニック障害を発症してしまった。

このことを受けて、島田紳助は「俺も、実はパニック障害だ。ついさっき、本番前に薬を飲んできた」と話していた。詳細には語っていなかったが、どうやら抗不安薬のようだ。「13年前にパニック障害を発症した。それで、自律神経をやられてしまった」

「ある日突然、それはやってきた。不安感や呼吸困難、動悸などが起こった。それで、しばらく休業することになった。診断名がついた後も、『どうして?なんで、こんな病気になってしまったのか…俺は、どうしてしまったのか…』と責め続けた。…自分の好きなことはできる。野球や魚釣りなんかは。そういうときは大丈夫なんだ。でも、復帰してからも大変だった」

「復帰した後も、スタジオに向かう途中、楽屋にいるとき、本番前にパニック発作を起こした。本番が近づいてくると、たまらない不安が襲ってくる。開始30分前に『すみません、できません』といって帰ってしまったこともあった」

「今も、薬は飲み続けている。不安で堪らない。そういう中で仕事をしている。…この病気になると、同病の人といると、それだけで安心する」と話していた。
(島田紳助 「パニック障害との闘い」)

パニック障害とは


パニック障害とは、パニック発作が特別の原因なしに、突然出現する(予知できずに起こり、反復性)障害と言うことができると思われます。

一般人口における生涯有病率は、0.9%程度であるといわれ、患者さんの約7割は発作で救急外来を受診しているようです。男女ともに起きますが、女性の罹患率が2倍程度高いといわれます。好発年齢は、20〜40歳であるとのことです。

パニック発作は、動悸・頻脈、息苦しさ・過呼吸、死の恐怖が最も多く、そのほか悪心、めまい感、手足のしびれ、冷汗、気が狂う恐怖なども起こりえます。大きく分けて、突然の強い不安感(死ぬのではないか、気が狂ってしまうのではないかという恐怖)と自律神経症状(動悸、頻脈、呼吸困難、発汗、息切れ、胸腹部不快など)が起こる、と考えられます。

発作は反復性に生じ、慢性に経過していきます。症状の再発を恐れる「予期不安」を伴うことが多く、さらに発展して「広場恐怖」に至ることも多いです。

「予期不安」とは、不安がまた襲ってくるのではないかと予期しつつ怯える状態を指します。不安神経症や予期神経症に認められます。

典型例は、動悸、発汗、心悸亢進、胸内苦悶、窒息感、眩暈、嘔気など自律神経症状を伴う不安発作を経験した場合で、このまま気が狂うのではないか、あるいは死んでしまうのではないかという破局感、切迫感を感じます。

一端、そのような体験をすると、同様の発作が再来するのではないかと予期して不安におののく状態が起こってしまいます。これを予期不安と言います。

「広場恐怖」とは、助けが容易に得られない場所にいることへの恐怖を指します。特定の場所における恐怖(単一恐怖)や、特定の社会的状況における恐怖(社会恐怖)とは異なります。通常、パニック障害(急性不安発作)が起きた後に出現します。

1人で戸外や混雑の中にいたり、バスや電車で移動しているときに、広場恐怖が生じやすいです。このような状況を回避するため、1人では外出をせず友人や家族としたりする傾向があります。重度になると、家にこもりっきりとなってしまうこともあります。

パニック障害の治療


パニック障害の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む

パニック発作を発症していた−大場久美子さん

女優の大場久美子さん(49)はこの10年、明るい笑顔で舞台に立ちながらも「パニック障害」に苦しんできた。激しい動悸や息苦しさをともなう発作、買い物や電車の乗車など日常動作にも苦痛を伴う。

こうした症状に悩み、闘病を行っていた様子を、大場さんは「やっと。やっと!―パニック障害からぬけ出せそう…」で語っている。

周囲の理解が必要だが、病の認知度は低い。一歩ずつ病を乗り越えた大場さんは「パニック障害のことをもっと知ってほしい」と語る。

「パニック障害」をご存じですか? ご存じないのも仕方ありません。私が病名を知ったのも、初めて発作が起こってから4年後でした。

初めて発作に見舞われたのは、10年前の平成11年6月。最愛の母の葬儀の翌日でした。大きな存在を失い、自宅でぼんやりしていたら、突然、動悸が激しくなり、呼吸が難しいほど息苦しくなりました。最初は「精神的に参っているのかな」と思いましたが、発作は頻度を増し、その年の夏には日常的に苦しむようになりました。

水を張った洗面器に顔を突っ込まされて、窒息しそうな…そんな息苦しさがあります。発作が起こると10分でピークに達し、治まるまで早くて30分。その間、じっと波が通り過ぎるのを待つ感じです。「このまま死ぬのでは」と思うほどの動悸もあり、最初は「心臓が悪いのかも」と内科を受診したほどでした。

病名が分かったのは4年後(平成15年)。「パニック障害」と医師から聞き、病気の知識もないのに「やっと病名が分かった」と安堵を覚え、帰宅したのを思いだします。

発作以外にも、困難な症状があります。例えばスーパーの買い物で、レジに並ぶのが辛い。後ろに人が並ぶと「どうしよう」と、とたんに落ち着かなくなる。気分が悪くなっても降りられないから電車に乗るにも足がすくみ、シャンプー中に発作が起こったらどうしようと考えただけで、お風呂や美容室で洗髪するのが苦しく感じられました。理解しにくいと思いますが、これもパニック障害の「広場恐怖」という症状です。
(【ゆうゆうLife】病と生きる 女優・大場久美子さん)

パニック発作とは


パニック障害とは、パニック発作が特別の原因なしに、突然出現する(予知できずに起こり、反復性)障害と言うことができると思われます。

パニック発作は、動悸・頻脈、息苦しさ・過呼吸、死の恐怖が最も多く、そのほか悪心、めまい感、手足のしびれ、冷汗、気が狂う恐怖なども起こりえます。大きく分けて、突然の強い不安感(死ぬのではないか、気が狂ってしまうのではないかという恐怖)と自律神経症状(動悸、頻脈、呼吸困難、発汗、息切れ、胸腹部不快など)が起こる、と考えられます。

こうした発作は反復性に生じ、慢性に経過していきます。症状の再発を恐れる「予期不安」を伴うことが多く、さらに発展して広場恐怖に至ることも多いです。

広場恐怖とは、助けが容易に得られない場所にいることへの恐怖です。1人で戸外や混雑の中にいたり、バスや電車で移動しているときに起こることが多いようです。このような状況を回避するため、1人では外出をしなくなったり、重度になると家にこもりっきりになってしまうこともあります。

1回の発作は通常数分〜30分、長くとも1時間以内に自然に消失します。発作が反復するうちに予期不安が形成されます。

一般人口における生涯有病率は、0.9%程度であるといわれ、患者さんの約7割は発作で救急外来を受診しているようです。男女ともに起きますが、女性の罹患率が2倍程度高いといわれます。好発年齢は、20〜40歳であるとのことです。

パニック発作の診断


器質性(身体疾患や薬物の直接的な作用に基づく)不安状態と特異的な「パニック障害」を区別することが重要となります。

器質性疾患には、てんかんなどの神経系発作性疾患、甲状腺機能亢進症・副甲状腺機能亢進症・褐色細胞腫症などの内分泌障害、上室性頻脈・狭心症などの循環系疾患、その他、低血糖、カルチノイド症候群、前庭機能不全などが含まれます。これらを否定することが必要となります。

パニック障害は、特別な状況にも環境的背景にも限定されず、「予期されずに」発現する特発性パニック発作を反復する障害です。発作恐怖、外出・閉所・広場恐怖、全般性不安状態、抑うつ状態、心気状態などを引き起こし、しばしば慢性化していきます。

パニック発作の診断基準(ICD-10)としては、
1.激しい恐怖・不安の明瞭に区別されるエピソード
2.突発的な開始
3.数分のうちに最強となり、少なくとも数分間は持続
4.次の少なくとも4項が存在し、そのうち1項目は(a)から(d)のいずれかであること。
自律神経性の刺激による症状
(a)動悸、または強く脈打つ、あるいは脈が速くなる
(b)発汗
(c)振戦または震え
(d)口渇(薬物や脱水によらないこと)
胸部・腹部に関する症状
(e)呼吸困難感
(f)窒息感
(g)胸部の疼痛や不快感
(h)嘔気や腹部の苦悶(例:胃をかき回される感じ)
精神状態に関する症状
(i)めまい感、フラフラする、気が遠くなる、頭がくらくらする感じ
(j)物事に現実味がない感じ(現実感喪失)、あるいは自分自身が遠く離れて「現実にここにいる感じがしない」(離人症)
(k)自制できなくなる、「気が狂いそうだ」、あるいは気を失うという恐れ
(l)死ぬのではないかという恐怖感
全身的な症状
(m)紅潮または寒気
(n)しびれ感またはチクチクする痛みの感覚
こうしたものがあります。

パニック発作の治療


パニック発作の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む

岡田義徳さん、電車でパニック障害の過去激白

俳優の岡田義徳(30)が11日、東京・渋谷ビデオスタジオで、初主演ドラマとなる20日放送のフジテレビ系「フライトパニック」(後11時20分)の会見に出席した。

密室状態の上空で、伝染病や台風など次々とトラブルに見舞われる飛行機の副操縦士を演じる。最近パニックになった経験について「半年くらい前に電車に乗っていて軽いパニック障害になり、過呼吸になってしまった。ストレスが原因らしい」と明かした。
(岡田義徳、電車でパニック障害の過去激白)


長嶋一茂さんも、パニック障害を抱えていたと告白していました。長嶋さんも、偉大な父親の重圧に押しつぶされそうになり、パニック障害を発症してしまった、と言っていました。

パニック障害とは、強い不安感を主な症状とする精神疾患の一つです。
定型的なパニック障害は、突然生じる「パニック発作」によって始まります。続いて、その発作が再発するのではないかとおそれる「予期不安」とそれに伴う症状の慢性化が生じます。さらに長期化するにつれて、症状が生じた時に逃れられない場面を回避して、生活範囲を限定してしまう「広場恐怖症(人混みを嫌ったり、外出を避けたりする)」が生じてきます。

予期不安や広場恐怖により社会的に隔絶された状態が続くと、そのストレスや自信喪失などによってうつ状態となることも少なくありません。元来、うつの症状が見られなかった患者でも、繰り返し起こるパニック発作によって不安が慢性化していくことでうつ状態を併発し、実際にうつ病と診断されるケースも多く報告されています。

治療としては、薬物療法と精神療法があり、様々な治療が有効性を認められています。薬物療法では、発作の抑制を目的に抗うつ薬(SSRIや三環系抗うつ薬・スルピリド)が用いられ、不安感の軽減を目的にベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられます。

これらの薬物には明確な有効性があり、特に適切な患者教育と指導と併用した場合の有効性は極めて高いといわれています。また最近は、新型抗うつ薬であるSSRIの有効性が語られることが多いです。

こうした障害を持ちながらも、活動を行っている方がいらっしゃる、ということが、患者さんの励みになると思われます。障害と共に生き、周囲の理解も得られるような社会になることを望んでおります。

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