きちんと歯を磨いているのに、口臭がなくならない…。中高年世代で、息のにおいに悩む人は多い。いくら礼儀や身だしなみがよくても、口臭があれば対人関係は台無しになる。にもかかわらず、その原因やきちんとした対処法は意外と知られていない。よほど親しい人でなければ指摘してくれないものだけに、自分でしっかりと対処・予防することが大切だ。
「口臭の原因の9割は、口の中の細菌によるものです」。大阪大学歯学部臨床教授で、歯学博士の野村慶雄さんは、そう断言する。虫歯と歯周病、舌の表面に白や黄色の苔状の汚れがこびりつく舌苔(ぜったい)、口の中にとどまった食べ物。この3つによって口腔内に増えた細菌が口臭を生む。中でも、「40歳以降の口臭の一番の原因は歯周病です」(同教授)という。
歯周病は、歯のまわりに起こる感染症で、「40歳〜70歳の日本人の約8割が罹患している国民病」(同教授)だ。一番の原因は、歯と歯ぐきの境い目にたまる細菌の塊(プラーク=歯垢)で、「プラークの中には300〜400種類もの菌があり、歯周病の原因菌はそのうちの30〜40種類。歯周病に罹患すると菌の数は、健康なときの約1000倍の約1億個/ミリグラムへと、急激に増えます」(同教授)。
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に空間(歯周ポケット)ができ、ここに、さまざまな細菌が貯蔵される。「プラークには、においを出す菌がたくさんいます。歯と歯ぐきの間をつまようじなどに軽くひっかいてみてください。白くつくのがプラークです。これをにおってみるとくさいのがわかりますよ」(同教授)。つまり、口臭をなくすには、歯周病をきちんと予防・治療することが大切なのだ。
自分でできる一番の予防法は、よく知られているように歯磨きだ。ただし、「ほとんどの人が磨いているつもりになっているだけ。きちんと磨けている人は少ない」(同教授)。歯周病を予防し、口臭をなくす歯磨きのコツは、「歯と歯ぐきの境いめに歯ブラシの先端を斜めにあて、小さく小刻みに横に動かす。虫歯予防の歯磨きとは違い、歯ブラシが歯ぐきにあたっているのを感じながら磨くことが大切です」(同教授)。歯磨きは、朝食後と就寝前の1日2回以上行い、「食べ物のカスによる口臭を防ぐためにも、毎食後に行うのが理想」(同教授)。
とはいえ、歯磨きで口の中の細菌をほぼ100%掃除するのはなかなか難しい。細菌は少しずつ口腔内にとどまり歯石になるため、「年に1〜2回、歯科医院でプロによるクリーニングを受けてください」(同教授)。
以下が、口臭対策の10箇条である。
★その1 歯と歯ぐきの間を歯ブラシでよく磨く
★その2 舌苔があるなら、濡らしたガーゼで舌を軽くふきとる
★その3 歯磨きの後は、マウスウォッシュなどで口の中の細菌を退治
★その4 食事はゆっくりと、よく噛んで食べる
★その5 ストレスを溜め込まず、睡眠を十分にとる
★その6 大切な集まりなどがある場合は、前日ににおいの強い食べ物を食べるのは避ける
★その7 暴飲・暴食を避け、胃腸の状態を整える
★その8 ノンシュガーのガムなどを噛み、唾液の分泌を活発にする
★その9 定期的に市販の口臭チェッカーを使ったり、家族に頼んで口臭がないか確認する
★その10年に1〜2回は、歯科医院で歯石をとる
(口臭の9割は細菌! やっぱり朝夜は必ず歯磨きを!)
まず、ハミガキに関しては、
・食べたら磨く習慣をつける。
・夜寝る前の歯みがきを習慣とする。
・歯間ブラシやマウスウォッシュ(口内洗浄液)を補助的に利用する。
・ブラッシングは力まず、小刻みにする。磨き残しがないよう、一本一本ていねいにする。
といったことが考えられます。とくに、ブラッシングは、力を入れても歯垢はとれません。むしろ力まず、優しく小刻みにしたほうがいいそうです。
また、人前などで緊張しやすい人は唾液が出にくく、口臭がキツくなりがちです。口の中がネバネバしやすい人は、唾液の分泌量が少ないのかも知れません。そういった場合は、ガムや飴などを口に入れておくだけでも唾液の分泌量が違います。
さすがにガムなどを噛んでしまうと、相手に失礼になってしまうかも知れませんが、そっと口の中に忍ばせておくくらいなら、相手にも分からないのではないでしょうか。
ブラッシングと、口の中の状態を注意するだけでも、口臭はだいぶ防げると思われます。気になっている方は、実践してみてはいかがでしょうか。
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「口臭の原因の9割は、口の中の細菌によるものです」。大阪大学歯学部臨床教授で、歯学博士の野村慶雄さんは、そう断言する。虫歯と歯周病、舌の表面に白や黄色の苔状の汚れがこびりつく舌苔(ぜったい)、口の中にとどまった食べ物。この3つによって口腔内に増えた細菌が口臭を生む。中でも、「40歳以降の口臭の一番の原因は歯周病です」(同教授)という。
歯周病は、歯のまわりに起こる感染症で、「40歳〜70歳の日本人の約8割が罹患している国民病」(同教授)だ。一番の原因は、歯と歯ぐきの境い目にたまる細菌の塊(プラーク=歯垢)で、「プラークの中には300〜400種類もの菌があり、歯周病の原因菌はそのうちの30〜40種類。歯周病に罹患すると菌の数は、健康なときの約1000倍の約1億個/ミリグラムへと、急激に増えます」(同教授)。
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に空間(歯周ポケット)ができ、ここに、さまざまな細菌が貯蔵される。「プラークには、においを出す菌がたくさんいます。歯と歯ぐきの間をつまようじなどに軽くひっかいてみてください。白くつくのがプラークです。これをにおってみるとくさいのがわかりますよ」(同教授)。つまり、口臭をなくすには、歯周病をきちんと予防・治療することが大切なのだ。
自分でできる一番の予防法は、よく知られているように歯磨きだ。ただし、「ほとんどの人が磨いているつもりになっているだけ。きちんと磨けている人は少ない」(同教授)。歯周病を予防し、口臭をなくす歯磨きのコツは、「歯と歯ぐきの境いめに歯ブラシの先端を斜めにあて、小さく小刻みに横に動かす。虫歯予防の歯磨きとは違い、歯ブラシが歯ぐきにあたっているのを感じながら磨くことが大切です」(同教授)。歯磨きは、朝食後と就寝前の1日2回以上行い、「食べ物のカスによる口臭を防ぐためにも、毎食後に行うのが理想」(同教授)。
とはいえ、歯磨きで口の中の細菌をほぼ100%掃除するのはなかなか難しい。細菌は少しずつ口腔内にとどまり歯石になるため、「年に1〜2回、歯科医院でプロによるクリーニングを受けてください」(同教授)。
以下が、口臭対策の10箇条である。
★その1 歯と歯ぐきの間を歯ブラシでよく磨く
★その2 舌苔があるなら、濡らしたガーゼで舌を軽くふきとる
★その3 歯磨きの後は、マウスウォッシュなどで口の中の細菌を退治
★その4 食事はゆっくりと、よく噛んで食べる
★その5 ストレスを溜め込まず、睡眠を十分にとる
★その6 大切な集まりなどがある場合は、前日ににおいの強い食べ物を食べるのは避ける
★その7 暴飲・暴食を避け、胃腸の状態を整える
★その8 ノンシュガーのガムなどを噛み、唾液の分泌を活発にする
★その9 定期的に市販の口臭チェッカーを使ったり、家族に頼んで口臭がないか確認する
★その10年に1〜2回は、歯科医院で歯石をとる
(口臭の9割は細菌! やっぱり朝夜は必ず歯磨きを!)
まず、ハミガキに関しては、
・食べたら磨く習慣をつける。
・夜寝る前の歯みがきを習慣とする。
・歯間ブラシやマウスウォッシュ(口内洗浄液)を補助的に利用する。
・ブラッシングは力まず、小刻みにする。磨き残しがないよう、一本一本ていねいにする。
といったことが考えられます。とくに、ブラッシングは、力を入れても歯垢はとれません。むしろ力まず、優しく小刻みにしたほうがいいそうです。
また、人前などで緊張しやすい人は唾液が出にくく、口臭がキツくなりがちです。口の中がネバネバしやすい人は、唾液の分泌量が少ないのかも知れません。そういった場合は、ガムや飴などを口に入れておくだけでも唾液の分泌量が違います。
さすがにガムなどを噛んでしまうと、相手に失礼になってしまうかも知れませんが、そっと口の中に忍ばせておくくらいなら、相手にも分からないのではないでしょうか。
ブラッシングと、口の中の状態を注意するだけでも、口臭はだいぶ防げると思われます。気になっている方は、実践してみてはいかがでしょうか。
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