代理出産でもうけた双子男児(3)の出生届不受理が最高裁で確定したタレント向井亜紀(42)元プロレスラー高田延彦(44)夫妻が11日、都内で会見し、男児の出生届提出を断念したことを発表した。男児は日本国籍を持てないが、出生した米・ネバダ州の裁判所が夫妻との親子関係を認めており、米国籍は保有している。夫妻は「アメリカ人の子供として育てる」とし、すでに入国管理局へ在留資格延長(3年)を申請している。
「(裁判を)3年間やって、振り出しに戻ったという感じですけど、アメリカ人の子供を日本人の親として育てていくと決めました」。向井夫妻は笑顔さえ浮かべ、固い決意を口にした。
先月23日、最高裁は出生届受理を命じた東京高裁判決を破棄、法的な実の親子関係は認められないと判断した。その後、法務省から「2週間以内に出生届を提出してください。提出しないと子供の日本国籍は今後取得できません」と連絡が入りこの日が期限だった。
夫妻は出生届の提出を断念した。日本国籍を取得しない道を選んだが、そこには夫妻の譲れない主張があった。
向井は「出産時に米国の裁判で親子と認められている。(代理母の)シンディとも(男児は)親子でないと確認している。約束は破れない」。最高裁判決により、出生届の「母」欄に向井の名前でなく、代理母の名前を記さなければならなくなった。「それは、どうしてもできない」というのが、夫妻の結論だった。
最高裁の裁判官、4人のうち3人に勧められた国際養子縁組や特別養子縁組について、家庭裁判所へ相談に行った。ただ、出生届を提出しないと決めた時点で、特別養子縁組はあきらめた。「国際養子縁組は、仕組みを聞くと、日本の親が申請して(出産先の)外国の親が承諾すればいいと言う。なら、私が申請して(米国内で親子認定されている)私が承諾すればそれでいいのか、と思ったら、家庭裁判所の人は『私見では問題があるように思う』と言うんです」(向井)。国際養子縁組の申請も見送り、男児が不法滞在にならないよう在留資格延長を申請した。
男児は米国人として今月9日、幼稚園への入園式に参加した。高田は男児の将来に「(就学問題も含め)今は心配、不安はない」と話す。だが、その一方で「日本の法律では親子ではないので、万一に備えて遺言は必要だ、と。今すぐにでも書いておきます」と語った。夫妻は今後、国際養子縁組の研究を重ね、将来的に、成長した男児が望めば国籍取得申請や、米国移住など最善の環境を用意する。
(向井「アメリカ人の子供として育てる」)
東京家裁は不受理を支持、申し立てを却下したが、東京高裁は「血縁関係は明らかで、親子と認めた米国の確定裁判を承認しても公序良俗に反しない。不受理だと法律的に受け入れる国がなくなり、子の福祉を優先すべきだ」と判断した。
一縷の望みが繋がった、と思ったが、最高裁では高裁の決定を破棄した。
今後は、「在留資格を更新し、当面は双子を米国籍にしたまま」で将来的に、成長した男児が望めば国籍取得申請や、米国移住など最善の環境を用意する、とのこと。
向井さんの提起した「親子関係とは」「国籍とは」といったことは、非常に大きな問題を行政側に投げかけたのではないだろうか。
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「代理母問題」向井亜紀夫妻の出生届、不受理が確定
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先月23日、最高裁は出生届受理を命じた東京高裁判決を破棄、法的な実の親子関係は認められないと判断した。その後、法務省から「2週間以内に出生届を提出してください。提出しないと子供の日本国籍は今後取得できません」と連絡が入りこの日が期限だった。
夫妻は出生届の提出を断念した。日本国籍を取得しない道を選んだが、そこには夫妻の譲れない主張があった。
向井は「出産時に米国の裁判で親子と認められている。(代理母の)シンディとも(男児は)親子でないと確認している。約束は破れない」。最高裁判決により、出生届の「母」欄に向井の名前でなく、代理母の名前を記さなければならなくなった。「それは、どうしてもできない」というのが、夫妻の結論だった。
最高裁の裁判官、4人のうち3人に勧められた国際養子縁組や特別養子縁組について、家庭裁判所へ相談に行った。ただ、出生届を提出しないと決めた時点で、特別養子縁組はあきらめた。「国際養子縁組は、仕組みを聞くと、日本の親が申請して(出産先の)外国の親が承諾すればいいと言う。なら、私が申請して(米国内で親子認定されている)私が承諾すればそれでいいのか、と思ったら、家庭裁判所の人は『私見では問題があるように思う』と言うんです」(向井)。国際養子縁組の申請も見送り、男児が不法滞在にならないよう在留資格延長を申請した。
男児は米国人として今月9日、幼稚園への入園式に参加した。高田は男児の将来に「(就学問題も含め)今は心配、不安はない」と話す。だが、その一方で「日本の法律では親子ではないので、万一に備えて遺言は必要だ、と。今すぐにでも書いておきます」と語った。夫妻は今後、国際養子縁組の研究を重ね、将来的に、成長した男児が望めば国籍取得申請や、米国移住など最善の環境を用意する。
(向井「アメリカ人の子供として育てる」)
東京家裁は不受理を支持、申し立てを却下したが、東京高裁は「血縁関係は明らかで、親子と認めた米国の確定裁判を承認しても公序良俗に反しない。不受理だと法律的に受け入れる国がなくなり、子の福祉を優先すべきだ」と判断した。
一縷の望みが繋がった、と思ったが、最高裁では高裁の決定を破棄した。
今後は、「在留資格を更新し、当面は双子を米国籍にしたまま」で将来的に、成長した男児が望めば国籍取得申請や、米国移住など最善の環境を用意する、とのこと。
向井さんの提起した「親子関係とは」「国籍とは」といったことは、非常に大きな問題を行政側に投げかけたのではないだろうか。
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