岩田安生さん67歳(いわた・やすお=俳優)24日、肺がんのため死去。葬儀は27日午前11時、東京都武蔵野市緑町1の6の7、源正寺太子堂。喪主は妻廸子さん。

東京演劇アンサンブルに所属し舞台で活躍したほか、「チャングムの誓い」「サザエさん」などに声優として出演した。
(<訃報>岩田安生さん67歳=俳優)

肺癌とは


肺癌とは、気管支および肺実質から発生した上皮性悪性腫瘍で、一般にその生物学的特徴から、小細胞癌と非小細胞癌に分けられます。非小細胞癌とは、主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌からなります。

肺癌は非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)が約85%、小細胞癌が15%を占めます。病因は喫煙による影響が最も強く、発症危険率は喫煙本数と比例するといわれています。喫煙指数(1日に吸う本数 × 年数)が800を超えると肺癌の危険が高くなるといわれています。

肺癌の場所による分類としては、区域気管支より中枢側に発生したものを中枢型、末梢側に発生したものを末梢型といいます。中枢型には扁平上皮癌と小細胞癌が目立ち、男性例が多く、喫煙との関連が高いです。一方、末梢型では腺癌が目立ち、女性が比較的多く、喫煙との関連は低いといわれています。

小細胞癌は、原発性肺癌の15%を占め、きわめて悪性度が高く、発見時にすでに遠隔臓器への転移や肺門縦隔リンパ節転移をみることが多いといわれています。

小細胞肺癌は、重喫煙者で男性に多いです。多くは肺門型(縦隔のある中心部付近に発生しやすいです。ちなみに肺門とは、左右の肺の内側面中央にある部分で、第5から第7胸椎の高さに相当する)で、区域枝から亜区域枝の上皮の基底膜近辺に発生し、気管支粘膜下を長軸方向に浸潤増殖するという特徴があります。

非小細胞肺癌の腺癌は、肺癌全体の約40%を占め、最も頻度の高い組織型です。女性肺癌の80%は腺癌であり、非喫煙者が多いです。ほとんどの症例で気管支肺胞系の末梢に発生し、孤立結節型の増殖を示し、画像上、結節影を形成します。

腫瘍細胞は、肺胞細胞を置換して隣接する肺胞、小葉へと進展します。腺癌の特殊型である細気管支肺胞型は円柱状の腫瘍細胞が肺胞壁に沿って増殖し、新たな腫瘍間質の形成がみられず、臨床的には多量の喀痰を伴い、しばしば肺炎や間質性肺炎と誤診されることもあります。

扁平上皮癌は、腺癌に次いで発生頻度の高い癌で約35%を占めます。多くは重喫煙者で男性に多いです。発症部位は肺門部の主気管支や葉気管支に多く、気管支上皮を癌組織で置換しながら進展し、気管支内腔の狭窄や閉塞をきたします。腫瘍の中心部は壊死を起こしやすく、空洞を形成することも多いです。

肺癌の診断


肺癌は多彩な症状を示します(早期では無症状のことが多く、進行期になると多彩な症状)が、肺門型(気管が肺に入る入口付近)の肺癌では咳・痰などの症状が出やすく、肺野型(肺門から離れたところにできた癌)では無症状・健診発見が多いと言われています。

咳、痰などの症状がある場合、まずは胸部レントゲン写真撮影を行います。次に、癌かどうか、あるいはどのタイプの肺癌かを調べるため、喀痰細胞診、穿刺吸引細胞診などによる細胞診、気管支鏡や経皮的肺生検(CTガイド下肺針生検)などを行って組織診を行います。

胸部CTでは、単純胸部X線で描出できない小結節、肺門、縦隔リンパ節転移、隣接臓器浸潤、胸膜播種、他臓器転移を明確に描出することができます。CT画像でみられる悪性病変の特徴は、胸部X線の場合と同様ですが、さらに鮮明な画像が得られます。肺野末梢型の孤立結節影の画像上の鑑別診断には、thin slice CTが有用です。

らせんCT(ヘリカルCT、スパイラルCT)は、CT寝台を移動しながら連続スキャンに画像を得る方法です。撮影時の設定により、肺野陰影の存在診断,陰影の質的診断などを目指した診断が可能となります。また、寝台を止めてスキャンした場合、CT断面の透視画像となり、生検などの場合に用いられます。

気管支ファイバースコピーは、咳、痰、血痰などの症状で肺癌が疑われる症状を有する場合、または胸部画像診断で肺癌が疑われる場合が対象となります。こうした場合、さらに生検が行われ、組織学的に検査が行われることもあります。また、経皮的肺生検(CTガイド下肺針生検)が病理学的な診断に用いられることもあります。ほかにも、ファイバースコピーあるいは透視下、CTガイド下針生検で診断のつかない場合、VATS生検や開胸生検を行い確定診断を得ることもあります。

血液検査や胸水検査で、腫瘍マーカーが測られることもあります。腫瘍マーカーとは、腫瘍細胞などが産生する物質で血液を中心とする体液、排泄物組織などに見い出され、腫瘍の存在、性状、進展度を示唆する蛋白質です。

肺癌では、CEA、NSE、Pro GRP、CYFRAなどが上昇する場合があります。通常、血漿または血清中の濃度を検討することが多いです。

ですが、いずれも特異性、感受性に問題があり、特定診断に用いることはできません。主として治療効果判定や再発の有無のチェックに用いることが多いです。

肺癌の治療


肺癌の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む