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急性感音難聴

夏フェス後などに耳が聞こえにくい症状−急性感音難聴(音響外傷)にご注意

■音響外傷の症状
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2013年 08月号 [雑誌] 大音量で音楽を聞いていると、急性の内耳障害である「音響外傷」を起こしてしまうことがあります。主な症状は、普段はよく聞き取れる音も聞こえなくなる難聴と耳鳴り。

 以前は「音響外傷」というと、仕事中に大きな音を聞くことが多い職場で起きる症状でしたが、コンサートなどで大型のスピーカーが使用されるようになってからは、コンサート会場での音響外傷が増加しました。普段から携帯用音楽プレイヤーで音量を大きくする癖がある人にも注意が必要ですが、夏フェスなどに行って大音量で音楽を楽しむ人が多いこの季節は、耳の健康にも少し注意するようにしましょう。

■音響外傷の原因
 ヒトを含む哺乳類は、鳥類や爬虫類などの他の動物に比べ、夜間の視力と聴覚が優れています。これは遠い祖先が月明かりの夜に活動し、昆虫などを捕食していたからだと考えられており、ごく小さな音でも聞き分けられるように発達しています。

 身近な哺乳類である犬と比較すると、人の聴力は劣っているように思いがちですが、それでも耳たぶや外耳でしっかりと音を集め、直接外気とつながっている耳道を持ち、鼓膜からの振動を耳小骨で増幅して、内耳細胞で聴く機構を持っている点では、やはり優れた聴覚を持っているといえます。

 このような耳のつくりは小さな音を聞くのに優れていると言えます。そのため大きな音を聞くと、内耳細胞が振り切れてしまった状態になり、本来の構造が破壊されてしまうことがあるのです。遠くの地震の揺れを増幅して記録する地震計の針をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

■音響外傷の予防法
 音響外傷の予防法は大音量の音を避けるのが一番。特に人工的な音の場合は、スピーカーなどの音源を意識して、少し遠めに距離を取るだけでも予防になります。

 音源から離れると音が小さくなるのは当然ですが、自然の音とスピーカーでは少し異なります。たとえば自然界の大きな音である雷などの場合、音は音源から三次元に広がっていくので、距離の三乗に比例して減衰しますが、コンサートなどで使う型のスピーカーでは、音は二次元的に広がって行くため、音源のスピーカーからの距離の二乗で減衰します。たとえば音源から4mと8mの場所では音圧が1/4になります。スピーカーから離れた位置に場所取りすることで、音楽を楽しみながら音響外傷をうまく予防することができるのです。

■音響外傷の治療法・後遺症
 コンサートによる音響外傷は会場を後にしてから気付くことが多いようです。コンサートの感想などを話しているときに、お互いの声が聞き取れないことなどで気づきます。帰宅してからも難聴や耳鳴りが残ることがありますが、睡眠中に回復し、翌朝になれば違和感が消えることがほとんど。その意味では軽い音響外傷はすぐに自然治癒すると考えて大丈夫です。

 ただし、翌朝も聞こえが悪い場合は要注意。特に連日行われるようなフェス参加中に耳の異常を感じた場合は、無理は禁物です。なるべく早く会場を後にして耳鼻科を受診しましょう。音響外傷の診断には聴力検査が必須。音響外傷を起こした場合の予後は個人差がありますが、症状のうち耳鳴りは残らないことが多いと言われています。しかし、耳鳴りは治っても内耳障害は元に戻らず難聴となってしまうことがあります。この場合の難聴に有効な治療法はありません。重度の音響外傷になり後遺症を残さないよう、しっかり予防することが大事です。
(夏フェス後に音が聴こえにくい……音響外傷かも?)

音響外傷とは


音響外傷とは、大きな音を聞くことによって聴覚が障害されることをいいます。音のレベルが高いほど、短時間の聴取で発症します。障害部位は、内耳にある有毛細胞とされています。強く大きな音を短時間聞くことで発症するものを急性音響外傷といい、比較的大きい音を長期間聞くことで発症するものを慢性音響外傷といいます。

急性音響外傷は銃器類や花火などの爆発音が原因になります。近年、若年者に多い急性音響外傷に、ディスコミュージックやロックミュージックなどの大きな音楽を数時間聞くことで発症するディスコ難聴やロック難聴があります。

慢性音響外傷には、騒音の強い職場に長時間勤務することによる騒音性難聴(職業性難聴)があります。騒音レベルが高いほど、就業期間が長いほど、難聴の程度が強くなります。職業性難聴を防ぐための許容基準が定められています。

近年、若年者に多い慢性音響外傷に、ヘッドホンステレオ(ウォークマンなど)で音楽を聞くことによるヘッドホン難聴があります。

症状としては、初期の頃は音でいらいらする、うるさい、耳鳴りなどがみられます。次第に慣れてくると、数年を経て聞こえにくさ、耳鳴りが目立ってきます。他に、慣れずに増強する例もあります。

聴覚以外の影響は、自律神経系や内分泌系を介する非特異的影響が指摘されています。循環器疾患や妊娠・出産の異常に関連するとの指摘もあります。

音響外傷の治療


音響外傷の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む

急性感音難聴(音響外傷)-ヘッドホンで大音響などに注意

コンサートで大音響の中にいると、耳に大きな負担がかかり、耳鳴りがしたり聞こえにくくなったりすることがある。ヘッドホンで長時間、大音量の音楽を聴いても、聴覚を損ないかねない。携帯音楽プレーヤーの普及で難聴の広がりを心配する声もある。

今年7月、東京都内の公務員男性(25)は、笠井耳鼻咽喉科クリニック(東京・目黒区)を受診し、訴えた。「昨夜コンサートに行ってから、耳鳴りがするようになりました。耳が塞がるような感じもあります」

聴力検査した結果、周波数4000ヘルツの高音域の音が聞こえにくくなっていた。正常なら25デシベルくらいの音量でも聞こえるはずが、50デシベル以上でないと聞こえない。急性感音難聴(音響外傷)と診断された。

音が聞こえる仕組みは、耳の奥の「蝸牛」という渦巻き状の器官にある有毛細胞が、先端に生えた毛の振動で音を感知すると、その情報を脳に伝えるものだ。感音難聴は、大きな音で有毛細胞に障害が起きることなどによって発症する。「ロック難聴」「ヘッドホン難聴」などとも呼ばれる。

この男性を診察した院長の笠井創さん(60)によると、通常、様子を見て自然に治るのを待つことも多いが、検査の結果、高音域の聴力レベルがかなり落ちていたため、有毛細胞を保護する目的でステロイドやビタミン剤を処方。薬の効果かどうかははっきりしないものの、2日後には正常に戻っていた。

同クリニックには、この1年余の間に、感音難聴と見られる10〜20代の若者が計11人訪れた。ロックコンサートや自分のバンドでの演奏などが原因と見られた。笠井さんは「症状に早く気づけばいいが、ヘッドホンで大音量の音楽を聴くのが習慣化しているような場合は、自覚がないまま悪化する恐れがある」と話す。

難聴の症状が出ても、一時的なら静かな場所で耳を休ませれば多くは自然に治ることが期待できるが、慢性的な症状になると深刻だ。有毛細胞はいったん破壊されると修復力がなく、機能が回復しないためだ。まず何より大事なのは予防ということになる。

コンサートでは、スピーカーのそばを避けたり、時々休憩したり、自分なりの工夫も大切だ。ヘッドホンやイヤホンは、使い方に気をつければ、安全に使うことができる。適度な音量は、外の音が入りやすいオープンエア型なら、静かな場所でヘッドホンをしていても周囲の音が聞こえる程度、遮音性の高いクローズド型なら、片側を耳から外し周囲の音と同程度の音量に設定するのが目安。長時間聴き続けないようにしよう。

電車の中でヘッドホンを使う時は、周りの騒音があるのでつい音量を上げがちだが、適正な音量を把握し、上げ過ぎないようにしたほうがいい。一般に、耳の健康には90デシベル以下が目安とされている。

慶応大耳鼻咽喉科教授の小川郁さん(56)は「周囲に音漏れするほど大きな音量で聴くことは、マナーの問題だけでなく、自分の耳の機能を損なうことになる。若い時に耳に負荷をかけていると、年をとってから難聴になりやすいという専門家の声もあるので注意してほしい」と呼びかけている。
([医療解説]ヘッドホン 難聴… 大音量 耳の細胞に障害)

音響外傷とは、強大な音を聞くことによって聴覚が障害されることをいいます。音のレベルが高いほど短時間の聴取で発症するといわれています。障害部位は内耳有毛細胞とされています。強大音を短時間聞くことで発症するものを急性音響外傷といい、比較的大きい音を長期間聞くことで発症するものを慢性音響外傷といいます。
 
急性音響外傷は銃器類や花火などの爆発音が原因になります。近年、若年者に多い急性音響外傷に、ディスコミュージックやロックミュージックなどの大きな音楽を数時間聞くことで発症するディスコ難聴やロック難聴があります。

慢性音響外傷には、騒音の強い職場に長時間勤務することによる騒音性難聴(職業性難聴)があります。騒音レベルが高いほど、就業期間が長いほど、難聴の程度が強くなります。職業性難聴を防ぐための許容基準が定められています。近年、若年者に多い慢性音響外傷に、ヘッドホンステレオ(ウォークマンなど)で音楽を聞くことによるヘッドホン難聴があります。

80〜90dB以上の騒音に長期間曝露されると、蝸牛コルチ器、特に外有毛細胞に障害が起こってきます。音は、外耳から入り鼓膜を振動させ、中耳の耳小骨を介して卵円窓から内耳に伝播します。

振動は内耳の蝸牛内に満たされたリンパ液を介して基底膜上のコルチ器官に伝わり、有毛細胞によって感知されます。そこで発生した神経インパルスは中枢へ送られ、音を認識します。この過程の中で、内耳の異常が起こっていることで、聴覚異常がみられるわけです。

さらに、以下のようなことが言えます。続きを読む
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