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有吉弘行

ツツガムシ病とは−診断と治療について

2012年07月19日放送の「とんねるずのみなさんのおかげでした。」にて、「モジモジ君で山形上陸!!」の回が放送されていました。その中で、「咬まれると発熱などを起こすダニ科の虫は何か?」というクイズが出題されており、有吉弘行さんが「ツツガムシ」といくつかのボケの後で即答されておられました。

ところが、周囲の方々は「ナニソレ?」といったリアクション。有吉さんが何故ご存知だったのかはさておき、その知名度の低いツツガムシ及びツツガムシ病について知っていただくために、今回の記事を書かせていただくことにしました(恐らく、本ブログでも初めてではないでしょうか)。

ツツガムシ病とは


ツツガムシ病は「ツツガムシ(ダニの一種)の幼虫に刺されることにより、このツツガムシが保有する Orientia tsutsugamushi の感染を受けて発症する急性発疹性熱性感染症」です。つまり、ツツガムシに咬まれること自体ではなく、そのツツガムシが保有する菌にに感染することで発症するというわけです。

1970年前後には東北地方にほぼ限局して発生がみられ、発生数も10名以下でした。ところが、1980年代初頭より、全国的な広がりとともに患者数が増加し、現在では年間1,000名程度の発生をみます。戦前の患者は真夏に集中していましたが、近年は春と秋から晩秋にかけての2時期に分散します。

東北地方の古典的ツツガムシ病は、アカツツガムシ媒介性です(大河津分水路建設工事において多数の作業従事者が古典的ツツガムシ病に倒れている)。その他のツツガムシによるツツガムシ病は新型ツツガムシ病と呼ばれています(タテツツガムシ、フトゲツツガムシなど)。ツツガムシの幼虫は草の繁る低地部に多く、農林業従事者に多く発生します。山菜採り、きのこ狩り等の行楽や畑仕事で山や草むらに入る場合は十分にご注意ください。

ツツガムシ病の診断


ツツガムシ病の臨床所見は、1) 高熱、2) 発疹、3) 皮膚の特有の刺し口が特徴的です。潜伏期は5−14日(平均10日)、発熱は38−40℃に達し、悪寒を伴うことが多く、3−5病日に痒みを伴わない紅斑状丘疹が出現し、部位は体幹から顔面・四肢に拡大します。

刺し口は全例に認め、直径5mmくらいの浅い潰瘍となり、その上に黒色の痂皮を形成します。また、刺し口が存在する部位の所属リンパ節の腫大がほぼ全例で認められ、軽度の肝脾腫を認めることもあります。

検査成績上、白血球数は発病初期には減少し、好中球の核左方移動を認め、第2病週に入り、リンパ球の増加に伴い増加します。CRPは発病初期から強陽性を示し、また肝機能障害は必発で、特にAST(GOT)、ALT(GPT)、LDHの上昇が特徴です。血小板減少、尿蛋白陽性などの所見がみられます。確定診断には特異的血清診断が必要であり、免疫ペルオキシダーゼ反応、蛍光抗体法、補体結合反応などがあります(PCR法が実用化されましたが、一般検査室までには普及してません)。

持続する発熱、激しい頭痛、発疹でβ-ラクタム薬無効のときには本症を疑います。野外での生活歴を聴取し、刺し口発見に努める必要があります。

ツツガムシ病の治療


ツツガムシ病の治療としては、下記の通りです。続きを読む

インフルエンザで休養していた−有吉弘行さん

お笑い芸人の有吉弘行がインフルエンザに感染し、休養していることが分かった。

2月3日(2012年)、ツイッターに「インフルエンザに。関係者の皆様ご迷惑おかけして申し訳ございません」と投稿。フォロワーからは「大丈夫ですか?お大事に」といったメッセージが大量に寄せられている。
(有吉、インフルエンザに感染「関係者の申し訳ございません」)

インフルエンザとは


インフルエンザとは、A型(香港型H3N2・ソ連型H1N1)およびB型インフルエンザウイルスの感染による急性呼吸器感染症です(C型は小児期に感染し、呼吸器感染症の原因となる。ただし、明確な流行の形をとらない)。

1〜2日の潜伏期の後、突然の発熱(>38℃)、頭痛、全身の筋・関節痛などで発症し、鼻汁・鼻閉や咽頭痛、咳嗽などの呼吸器症状を呈します。

通常は、約1週間の経過で自然に軽快しますが、高齢者や慢性肺疾患などの基礎疾患をもつ患者では肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などによる二次性の細菌性肺炎を、小児では中耳炎を合併する場合があります。乳幼児における急性脳症は予後不良(死亡率15〜30%)といわれています。

A、B型では、粒子表面に赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)が存在します。A型インフルエンザウイルスにはHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)の変異が特に多く、年によって流行するウイルスの型はかなり異なります。そのため、A型は世界的に大流行が起こる可能性が高いと言われています。

インフルエンザの臨床経過としては、潜伏期 1〜2日後に悪寒、発熱、頭痛、腰痛、倦怠感など全身症状が突然発現し、呼吸器症状は若干遅れます。39〜40℃の発熱が 3〜5日持続し、急速に解熱しますが、倦怠感などが残ります。筋肉痛や関節痛、悪心・嘔吐、下痢、腹痛もあり、下気道への進展例は咳、痰、胸痛などが生じます。

身体診察としては、顔面紅潮、結膜充血、鼻咽頭粘膜発赤・腫脹、咽頭後壁リンパ濾胞腫大がみられます。通常は打聴診に異常はないですが、気道の細菌二次感染例では胸部ラ音が聴取されます。

検査所見としては、血液検査では白血球数やCRPは上昇しないことが多く、白血球数はむしろ減少傾向し、細菌二次感染例では増加します。

診断には抗原検出迅速診断キットがきわめて高感度で有用であるといわれています。ただ、偽陰性の場合もあるため、流行時期における特徴的な症状などから臨床的診断を行うこともあります。

また、膿性痰喀出、白血球数増加で細菌二次感染を疑い、細菌培養と薬物感受性検査を施行することもあります。

インフルエンザの治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む

クラミジア・トラコマティス症に3度罹っていた−有吉弘行さん

19日、シネマート新宿で「有吉映画祭」が開催され、その初日舞台あいさつに有吉弘行、マッコイ斉藤監督、デンジャラス安田和博が登場。

そこに有吉の宿敵、マッコイ斉藤監督が乱入し、「おれの許可もなしに映画祭をやりやがって! こんなヤツのファンなんているんですか?」と吠えると、場内に拍手が鳴り響く。有吉ファンがいたことにさらに不機嫌になった監督は、「こいつ言っときますけど、クラミジアに3回かかってるんですからね!」といきなり暴露。

「この映画を観れば、有吉がなぜクラミジアになったかわかります。始まって40分くらいのところをチェックしてください」と叫ぶなど、毒舌バトルは最後まで延々と続いていた。
(有吉は3回性病にかかった?宿敵にバラされ舞台あいさつでののしり合い!)

クラミジア・トラコマティス症とは


クラミジア・トラコマティス症とは、Chlamydia trachomatisによる感染症であり、眼感染症のほかに性行為による尿路性器感染症があります。非淋菌性のSTD(性感染症 sexually transmitted disease)のうち20〜50%を占め、最も頻度が高いです。

C. trachomatis の15の血清型のうち、主としてD〜K型がSTDを起こします。感染性のある基本小体(elementary body; EB)が宿主細胞の封入体に取り込まれ、その中で網状体(reticulate body; RB)となり、分裂増殖します。RBは中間体を経て再びEBに成熟変換し、封入体を破裂させ、他の細胞に感染します。

男性では尿道炎が主体で、ときに前立腺炎、精巣上体炎を発症します。女性では尿道炎および子宮頸管炎が主体で、ときに卵管炎を呈し、不妊や子宮外妊娠の原因となります。また、妊婦では、産道感染により新生児の封入体結膜炎や肺炎の原因となります。

クラミジア・トラコマティス症の診断


男性および女性の尿道炎においては、性交後数日から 2〜3週以内に尿道周囲の発赤、排尿障害、頻尿、および粘性あるいは膿性の尿道分泌物がみられます。男女とも多くの無症候性あるいは自然治癒例(キャリア)がみられます。

子宮頸管炎においては2/3が無症状で、残りの1/3の症例で粘膿性の腟分泌物(帯下)の増加をみます。また、子宮口は発赤びらんを呈します。

微生物検査で確定診断となります。尿道あるいは腟分泌物をスライドガラスに塗抹し、蛍光抗体で染色し、鏡検します。また、分泌物からEIAによって抗原を検出するか、DNAプローブあるいはPCR法で遺伝子を検出します。

クラミジア・トラコマティス症の治療


クラミジア・トラコマティス症の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む
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