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検診

肺がん検診には、CT検査が有効か

NEJMに「低線量CTは、早期肺癌検出に優れる」と掲載されていました(Results of the Two Incidence Screenings in the National Lung Screening Trial」。
低線量ヘリカルコンピュータ断層撮影法(CT)の肺癌検出能力を全米肺検診試験(NLST試験)の継続調査で検討。低線量CTの初回検診での感度と陽性適中率は、94.4%、2.4%で、2回目には陽性適中率が5.2%に上昇した。X線検診では59.6%、4.4%で、2回目には感度と陽性適中率が上昇した。




また、以前のNEJMの記事でも、「低線量CTは、肺癌死亡率を下げる」と掲載されていました(Results of Initial Low-Dose Computed Tomographic Screening for Lung Cancer)。
全米肺検診臨床試験(NLST試験)に参加した喫煙歴のある5万3439人を対象に、初回の低線量コンピュータ断層撮影法(CT)による肺癌検出感度を検討。陽性率は低線量CTが27.3%、胸部X線が9.2%。肺癌と診断されたのは1.1%、0.7%だった。この結果は既報文献と一致し、CTが肺癌死亡率を低下させる可能性が示唆された。


とくに、「CT肺癌検診は、高リスク者で有用 」ということで、喫煙者に有用だという以下の様な論文も掲載されています(Targeting of Low-Dose CT Screening According to the Risk of Lung-Cancer Death)。続きを読む

「エックス線+超音波」有効か…乳がん検診12万人調査

厚生労働省は、早期発見による乳がん死亡率の低減を目指し、エックス線と超音波を組み合わせた検診システムの有効性を検証することを決めた。

40歳代女性12万人を対象に、エックス線単独の検診と併用検診を比較、受診者を追跡調査して総合評価を行う。検証期間は今年度から4年間。効果が実証されれば、現場への導入推進を検討する。

厚労省によると、国内では年約3万7000人(2000年)の女性が乳がんを発症、乳がんで亡くなる人は年1万人を超える。

乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)は、視触診だけの検診よりも、早期の小さながんを見つけることができるとされ、厚労省の検討会は2004年に、エックス線の利用を勧める指針を示した。

しかし、エックス線は、乳房に乳汁を作る組織の詰まっている40歳代女性の場合だと、がんを見落とすケースが少なくなく、エックス線検診が死亡率の減少につながるかどうか、疑問視する声もある。

一方、超音波検査は、40歳代の女性でもがんを発見する能力が高いとされ、都市部の検診機関などで導入する動きが目立っているが、有効性を裏付けるデータが十分でない。

厚労省の計画では、対象者を6万人ずつ、エックス線検診のみと、エックス線と超音波検査を両方受診する2組に分ける。乳がんの罹患率、死亡率、その他の病気による死亡率なども調査し、有効性を評価する。厚労省は、併用検診により、受診者の乳がん死亡率が3割減少する可能性もあるとみている。

検診法の違いによる比較だけでなく、乳がんの家族歴、本人の既往歴などの要因別にも、乳がん発見率やがんの進行度などを比較し、最適な検査方法を突き止める。研究リーダーは、東北大大学院の大内憲明教授が務める。
(「エックス線+超音波」有効か…乳がん検診12万人調査)


乳癌とは乳房組織に発生する癌腫のことです。

大人の女性の乳房は、乳頭を中心に乳腺が放射状に15〜20個並んでいます。
それぞれの乳腺は小葉に分かれ、小葉は乳管という管でつながっています。乳がんの約90%はこの乳管から発生し乳管がんと呼ばれます。小葉から発生する乳がんが約5〜10%あり、小葉がんと呼ばれます。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査(病理学的検査)すると区別できます。この他に特殊な型の乳がんがありますが、あまり多いものではありません。

年齢別にみた女性の乳がんの罹患率は30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎え、その後は次第に減少します。女性では、乳がんにかかる数は乳がんで死亡する人の数の3倍以上です。これは、女性の乳がんの生存率が比較的高いことと関連しています。

診断に関して検査法は、
1)レントゲン撮影(マンモグラフィー)
2)乳腺のその他の画像検査(乳腺の超音波検査、MRI検査、CT検査)
3)穿刺吸引細胞診と針生検
4)遠隔転移の検査(胸部レントゲン撮影、肝臓のCTや超音波検査、骨シンチ)

などがあります。今回の研究では、スクリーニングに「エックス線+超音波」が有効かどうか調べるようです。

この研究により、見逃される乳癌の数が減少することが望まれます。

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