「夏の日の1993」のヒットで知られる男性デュオ・classの津久井克行さんが2日午後2時1分、膵臓がんのため死去した。49歳だった。今年2月にがん告知を受け、手術・入院はせず、抗がん剤投与による通院治療を選択。最近まで音楽活動も続けていたが、9月30日夜に体調が急変した。通夜・葬儀は近親者による密葬で、後日お別れの会を行う。

90年代を代表するヒット曲で、今もカラオケの定番ソングとして親しまれる「夏の日の1993」発売から16年。津久井さんが49歳の若さで天国へと旅立った。

所属事務所によると、津久井さんは今年2月、腹部の不調で病院に行き、膵臓がんの告知を受けた。すでに「今年の桜は見られないかもしれない」と漏らすほど深刻な状態だったが「治療に専念するより音楽を続けたい」という本人の意向で手術はせずに抗がん剤による治療を選択。自宅からの通院治療で、音楽活動も行っていた。膵臓への転移がみつかるなどしたが、最近も元気な様子だったという。

体調が急変したのは9月30日夜。翌10月1日に救急車で都内の病院に入院したが、2日午後2時1分、帰らぬ人となった。妻、娘が最期をみとった。告知後に津久井さんが熱望して制作したオリジナルアルバム「十六年と一日」(4月22日発売)が遺作に、8月6日の明治神宮花火大会出演が最後のライブとなった。
(class津久井さん死去…「夏の日の1993」でミリオンデビュー)

膵癌とは


膵臓は膵液を産生する腺房、膵液を運ぶ膵管、および内分泌腺であるランゲルハンス島などからなりますが、膵癌の約90%は膵管から発生する膵管癌(ductal cell carcinoma)で、通常「膵癌」といえば膵管癌を指します。

原発性に膵に発生する上皮性の悪性腫瘍を指し、これは外分泌系と内分泌系の腫瘍に分けられます。外分泌系の腫瘍が大多数を占め、これと異なる病像を示す内分泌系腫瘍は別に論ずることが多く、しばしば狭義に「膵癌」は膵外分泌系の悪性腫瘍に用いられます。

発生部位によっても膵癌は分けられ、
1)膵頭部癌
2)膵体部癌
3)膵尾部癌(膵体部癌、膵尾部癌を合わせて膵体尾部癌)
4)膵全体癌

に分類されます。膵臓の中でも、膵頭部癌が約2/3で多く、周囲組織へ浸潤していきます。見つかりにくく(検診などでは普通、あまり膵臓癌を疑って検査をする、ということも少ないため)、診断時にはほとんどが進行癌です。

膵臓癌は、進行が早く、きわめて予後が悪いとされています。発生率は約1,000人に1人で、60〜70歳代の高齢者に多く、増加傾向にあるといわれています。

厚生労働省の人口動態統計(2002年)によると、臓器別に見た悪性新生物による死因では男性で5番目、女性で7番目となります。近年増加の傾向にあり、年間2万人が死亡、年代別では60歳代に最も高頻度にみられます。男女比は1.6:1と男性にやや多い傾向があります。

原因は明らかではありませんが、外部環境因子としては喫煙、食習慣、飲酒などが、内部環境因子としては糖尿病、慢性膵炎などが注目されています。

膵癌の診断


初発症状としては無痛性の黄疸が多く、皮膚黄染とともに右上腹部に胆嚢を触知します。基本的に、黄疸は血中のビリルビン濃度が2〜3 mg/dLを超える程度になると気づかれるようになります。

黄疸では、黄色調の白目や皮膚と同時に褐色尿を訴え、患者さんによっては尿の色の変化を主訴に来院することもあります。皮膚の痒みを訴える場合もあり、黄疸の重要な徴候の1つとなっています。

他にも、腹痛、体重減少、黄疸、耐糖能異常などがありますが、初期には無症状のことが多いため、発見が遅れやすいとされています。進行癌になると背部痛、腹痛、下痢が出現します。中でも、膵臓の障害による2年以内の糖尿病発症、急激な体重減少は有力な診断の手掛かりとなります。

心窩部不快感、腹部膨満,食欲不振などの上腹部不定愁訴を主訴とすることが多いようです。このような上腹部痛、背部痛が続き、他の上腹部疾患が除外できた場合は、膵癌を念頭に置いて検査を進めていきます。

血液生化学検査では、黄疸の程度と並行して血清総ビリルビン値の上昇を認めます。閉塞性黄疸か否かは、直接ビリルビンの増加で鑑別できます。腫瘍マーカーでは、CEA、CA19-9、DUPAN2など種々の血清中腫瘍マーカーが上昇してきます。なかでも、CA19-9の陽性率は60〜80%と高いといわれています。

一般に、術前に腫瘍マーカーが高値の症例では腫瘍の切除により腫瘍マーカーは低下するので、術後再発のモニターとして有用です。腫瘍径が1.0cm以下の膵癌での陽性率は低く、CA19-9でも早期診断の有用性は低いです。

画像診断では、超音波検査、CT、ERCP、MRCP、EUSなどが存在診断や局所進行度、リンパ節転移の有無などの広がりの診断に重要です。

超音波検査では、腫瘍そのものをとらえる直接所見としては、低エコーを示す腫瘤像がみられます。腫瘍による間接所見としては、膵管の閉塞・拡張、胆管の拡張などがあります。

超音波検査はスクリーニングに適しており、通常型膵管癌は内部低エコーないし不均一な斑状エコーを呈する腫瘤として描出されます。腫瘍より上流の胆管や膵管の拡張所見は有用です。

CT検査では、腫瘍はlow density massとして描出されます。その尾側膵管は拡張し、膵実質は萎縮しています。また膵前面、後面への腫瘍の浸潤の程度、門脈や上腸間膜動脈への浸潤の有無、転移リンパ節の有無も判定できます。

腹部血管造影では一般に血管に乏しくで腫瘍濃染像はみられません。血管への浸潤を反映する癌性狭窄や門脈造影所見は手術適応の判断や術式の選択に有用です。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は、膵管の狭窄、圧排、閉塞あるいは断裂、拡張像などにより腫瘍の存在診断が可能となります。その際、十二指腸内腔を観察し、癌浸潤によるびらん、潰瘍の有無を把握します。

最近では、ERCPに代わって比較的鮮明な膵管、胆管像が得られるMRCPが施行されます。ERCPでは得られない閉塞部より末梢の膵管拡張が描出されることもあります。

確定診断は、膵液細胞診で癌細胞が検出されたり、各種の画像診断で腫瘤の浸潤所見が明らか(特に胆管、胃十二指腸壁、脈管への浸潤所見)が認められて判断できます。

膵癌の治療


膵癌の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む