アルツハイマー病などの精神疾患で生じる脳の記憶や認知に関わる部分の異常をとらえる薬剤と、高性能の画像診断装置を浜松医大(浜松市)などが開発し、5日、報道陣に公開した。

浜松医大によると、認知機能の変化を画像に反映する薬剤の実用化は初めて。病気の進行とともに記憶や認知の機能が低下する様子を詳しく調べられるほか、治療薬が実際に脳のどの部分で効果を発揮しているかを確認することもでき、新薬の開発につながるという。

浜松医大の間賀田泰寛(まがた・やすひろ)教授(薬学)らが、認知に関わるニコチン受容体に結合し、画像に映りやすくする薬剤を開発。浜松ホトニクス(浜松市)などと共同で、よりきめ細かい脳の画像を撮影できる装置を製作した。

間賀田泰寛教授


従来の画像診断は特殊なマスクで20分〜1時間程度、頭を固定しなければならず、じっとしていることができない重症患者には使えなかった。

今回開発した装置は患者が頭を揺らしたり、首を振ったりしてもセンサーが動きを追い掛けて補正するため、頭を固定する必要がなく、立ったままでも診断が可能だ。

装置は5年、薬剤は7〜10年程度での製品化を見込んでいるという。間賀田教授は「問診に比べ、画像診断は客観的な診断ができる。認知症の実態解明や治療に役立つ」と話している。
(認知機能の異常を画像診断 浜松医大、薬と装置で)

実際の装置や原理は、以下のようなものだそうです。続きを読む