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がんなど「3大死因」減少、男性自殺率上昇・厚労省調べ

死因別の死亡率を5年前と比べたところ「がん・心疾患・脳血管疾患」の三大死因はいずれも減少し、過去最低水準となったことが26日、厚生労働省がまとめた2005年の「都道府県別の死亡状況」でわかった。

死因のうち男性の自殺だけは死亡率が上昇した。データは地域ごとの保健医療施策の基礎になり、同省は「死亡率の背景を分析して、対策に役立てたい」としている。
 
調査は5年に1度で今回が10回目。都道府県ごとの年齢構成を調整し、10万人あたりの死亡率を比較できる「年齢調整死亡率」を使っている。

調査によると、人口10万人あたりの全国の死亡率は男性が593.2人、女性が298.6人。2000年の調査に比べ、男性が41.0人、女性で25.3人減っており、長寿化傾向が裏付けられた。
(がんなど「3大死因」減少、男性自殺率上昇・厚労省調べ)


癌の原因や啓蒙活動が広がったおかげで、癌での死は減少したものの、自殺率が上昇しているという結果が分かったそうです。

ちなみに、男性での癌の死因トップは、肺癌で、女性では大腸癌(結腸がんおよび直腸がん)です。喫煙者は減っているとはいえ、未だに肺癌がトップだそうです。

自殺者に関しては、1998年から3万人以上に増加しました。
それまで約2〜2.5万人程度であった年間の自殺者数は、1998年を境に急増して3万人を超え、それ以降3万人超となっています。自殺者の70%以上が男性であり、1998年以降、自殺者数が急増した要因も男性、特に中高年男性の自殺増加によるものであったそうです。

2003年には、年間自殺者数が3万4千人に達し、統計のある1897年以降で最大となりました。自殺率も27.0と過去最大となっています。

2005年7月、参議院厚生労働委員会で「自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」がなされ、同年9月には第1回「自殺対策関係省庁連絡会議」が開催されました。しかし、後述の日本における行政の課題も示すように、課題も多い。今後、しっかりと対策されることが望まれます。

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米系ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京・千代田)は男女1000人に対して肺がんに関する意識調査を実施した。日本人の死亡原因のトップであるがんの中で、死者が最も多いのが肺がんであることを知らない人は約6割にのぼった。せきなどの自覚症状が「必ず現れる」という誤解を抱いている人も約4割に達し、肺がんへの関心の低さが浮き彫りになった。
 
調査は今年1月に実施。インターネットを活用し、30―60代の男女1000人から回答を得た。
(日本人のがん死亡原因トップは肺がん、「知らない」6割)


肺癌の90%以上が、気管支原性癌 (bronchogenic carcinoma) 、つまり気管・気管支、細気管支あるいは末梢肺由来の癌です。

日本では2005年の統計で、全がん死の19%を占め、男性では全がん死の中で最も多く、女性では大腸癌(結腸がんおよび直腸がん)・胃癌に次いで3番めを占めています。

肺内の気道粘膜の上皮は、たばこの成分などの、発癌性物質に曝露されると速やかに、小さいながらも変異を生じます。このような曝露が長期間繰り返し起こると、小さな変異が積み重なって大きな傷害となり、遂には組織ががん化するに至ります。

肺癌の一般的な症状は、血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴、胸痛、体重減少、食欲不振、息切れなどであるが、進行するまでは無症状であることが多いです。

こうした知識を広めなければ、喫煙習慣を辞めるといったことは、なかなか難しいのではないでしょうか。若年者の喫煙が広まってしまっている今、もう一度、啓蒙活動を行う必要がありそうです。

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がん予防成分を理研グループ、合成の仕組みを解明

ブロッコリーなどの野菜に含まれるがん予防成分を作るのに欠かせない遺伝子を、理化学研究所などの研究グループが発見した。この成分を増やした野菜や錠剤の開発につながるという。9日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。

ブロッコリー、キャベツ、大根などアブラナ科の野菜には、アミノ酸から作られる「グルコシノレート」と呼ばれる成分が含まれ、かむことで辛み成分に変化する。この辛み成分は発がん物質の解毒を促進する作用があり、アブラナ科の野菜にがん予防効果があることが知られているが、グルコシノレートがどのようにできるか解明されていなかった。

研究グループは、グルコシノレートの合成にかかわる遺伝子を探すため、アブラナ科の仲間で遺伝情報の解読が完了しているシロイヌナズナの約2万7000個の遺伝子を解析し、「PMG1」という遺伝子を見つけた。シロイヌナズナの遺伝子を操作してPMG1の働きを抑えたところ、グルコシノレートの量が最大で400分の1程度に減少した。また、シロイヌナズナの培養細胞でPMG1の働きを強めると、グルコシノレートが蓄積することも分かり、PMG1が合成に欠かせないと結論づけた。

理研の平井優美リーダーは「グルコシノレート合成の仕組みは他のアブラナ科植物にも広くあてはまる可能性が高い。PMG1を使ってグルコシノレートの量を増やしたがん予防効果の高い食品開発にもつながる」と話している。
(がん予防成分:理研グループ、合成の仕組みを解明 食品に応用も)


「遺伝子組み換え食品でがん予防」なんてことができる時代になるんでしょうか。
すでに薬剤を体内で作り出し、牛乳に含まれるようにした牛、なんていうのも研究されているようです。

そのうち、「がん撲滅フルコースセット」なんていうものが病院食として出されるようになるんでしょうか。…それ以前に、こうした予防法が盛んになり、がんになる人がいなくなるんじゃないでしょうか。

なんだか映画「ガタカ」のような世界ですね。

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がん治療薬開発に道? 細胞分裂に必要な205の遺伝子を特定

ショウジョウバエの全遺伝子を解析し、細胞分裂に必要な205の遺伝子を特定することに、名古屋大高等研究院の五島剛太特任准教授(32)らの研究グループが成功した。6日付米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。がん細胞の分裂を阻止する治療薬開発につながる成果だという。

五島氏らは、2006年のノーベル医学・生理学賞の受賞対象となった「RNA干渉法」を用い、約1万4,500あるショウジョウバエの遺伝子の機能を1つ1つ破壊し、細胞分裂に必要な205遺伝子を特定した。

膨大な数の遺伝子を分析するために、五島氏らは、全自動顕微鏡とコンピューターによる自動画像解析の手法を確立。従来は5年かかる分析を1年の短期で実現した。

五島氏は「今回特定した205の遺伝子のほとんどは、人間にも存在し、人間の細胞分裂にも重要と思われる。がん細胞の分裂を止める遺伝子治療のターゲットとなりうる」と話した。
(細胞分裂に必要な205の遺伝子を特定 がん治療薬開発に道)


全てのがんは、遺伝子の突然変異によって発生します。

身体を構成している数十兆の細胞は、分裂・増殖と、「プログラムされた細胞死」(アポトーシス)を繰り返しています。正常な状態では、細胞の成長と分裂は、身体が新しい細胞を必要とするときのみ引き起こされるよう制御されています。すなわち細胞が老化・欠損して死滅する時に新しい細胞が生じて置き換わります。

ところが特定の遺伝子(p53など、通常複数の遺伝子)に突然変異が生じると、このプロセスの秩序を乱してしまうようになります。すなわち、身体が必要としていない場合でも細胞分裂を起こして増殖し、逆に死滅すべき細胞が死滅しなくなります。

このようにして生じた過剰な細胞は組織の塊を形成し、腫瘍あるいは新生物と呼ばれます。腫瘍には良性(非がん性)と悪性(がん性)とが存在する。良性腫瘍は、稀に命を脅かすことがあるが、身体の他の部分に浸潤せず肥大化も見られません。一方、悪性腫瘍は浸潤・転移し、生命を脅かします。

全ての遺伝子の突然変異ががんに関係しているわけではなく、特定の遺伝子の変異が関与していると考えられています。また、発癌には多段階発癌説が提唱されています。すなわち、癌に関与する因子ならびに癌に至るプロセスは単一ではなく、複数の遺伝子変異などが関与すると考えられています。

がん発生に関与すると思われる遺伝子の突然変異が起こり、細胞分裂・増殖に歯止めがきかなくなる…こうしたプロセスの内、細胞分裂の遺伝子が特定されれば、そのうちのどこに異常があるのかをつきとめ、ターゲットとなる遺伝子を、遺伝子治療によって治す、という夢のような話が展開されようとしています。臨床応用はまだまだ先でしょうが、侵襲性や確実性の高い治療が期待できそうです。

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