タレント、カルーセル麻紀(68)が重度の閉塞性動脈硬化症と診断され、27日に都内の病院に緊急入院することが24日、分かった。
下肢の動脈が狭くなったり詰まったりして血流が悪化、進行すれば足の切断にも至る重病だ。1973年にモロッコで性転換手術を行って以来の入院というカルーセルは、「体だけは丈夫だと思ってたのに…。人生最大のピンチ」と不安な胸中を吐露した。
7年前に性同一性障害特例法施行で身も心も戸籍上も女となったカルーセルが、ひそかに激痛が襲う病魔と闘っていた。
この日、サンケイスポーツの電話取材に応じ、「病気で入院なんて初めてで正直怖いけれど、痛みの原因が分かったので良かった」と率直な思いを告白した。
カルーセルによると、昨年9月ごろから右脛にしびれを感じ始め、今年1月にテレビの新春特番などで多忙になると、痛みが伴うようになったという。
痛みは日に日に激しくなり、右足の太さが左足と比べて2センチも細くなって歩けなくなるほどに悪化。5月上旬に主治医と相談して今月17日に都内の病院で診てもらったところ、下肢血管の動脈硬化により痛みやしびれが起こる「閉塞性動脈硬化症」と診断された。
しかも右足は血管の詰まり具合を知るABI検査と血圧測定で測定不可能となるほどの重症であることが判明。他の部位にも同じ症状が出ている可能性が高く、27日に緊急入院し、精密検査を受けることになった。
症状の進行程度に応じて、薬物療法、針金を通すなどして血管を広げるカテーテル治療、人工血管や静脈を活用する動脈バイパス術などの治療法を決めていくという。
この病気は50、60代以降の糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙など動脈硬化の危険因子を持つ男性に多く発症する病気として知られている。カルーセルは1日平均3箱を吸う愛煙家であることが大きな原因とみられる。戸籍を変更した7年前から女性ホルモンを投与していなかったことも原因の1つに挙げられている。
カルーセルは「最近はタバコも1日10本にしてクソ暑いのにクーラーも入れず部屋を真っ暗にして寝てますよ。絶対に元気になって帰ってきてやる!!」と力強く復活を誓っていた。
(カルーセル麻紀、重度動脈硬化で緊急入院)
閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans; ASO)とは、腹部大動脈または四肢の主要動脈が粥状硬化病変のために狭窄または閉塞して、四肢に慢性の循環障害をきたす疾患です。
国内の国立循環器病センターにおける20年間のまとめによると、同施設の年間症例数は増加傾向を続けており、1980年代前半は年間40例前後であったものが、1990年代前半には年間100例にまで増加しているそうです。
粥状動脈硬化の危険因子を背景としていますが、特に喫煙の影響が顕著です。上肢には少なく、下肢動脈系の大腿動脈、膝窩動脈、腸骨動脈、腹部大動脈の順に多いですが、通常は複数の病変を認められます。病理学的には、粥状硬化病変の潰瘍形成・石灰化・出血・血栓付着のために内腔が閉塞または狭窄を起こしています。
安静時には血管内腔断面積が75%以下になると血流減少が起こります。運動時には安静時の10倍以上の血流が必要とされるため、歩行時などには運動に見合った血流が供給できなくなると、虚血症状が出現することになります。この状態が持続すると側副血行路が発達し始めます。
粥状硬化巣の破裂、血栓形成で急性閉塞が起こった場合には、急激な虚血のために突然罹患側の激しい疼痛で発症します。
診断としては、以下のような方法で行います。続きを読む
下肢の動脈が狭くなったり詰まったりして血流が悪化、進行すれば足の切断にも至る重病だ。1973年にモロッコで性転換手術を行って以来の入院というカルーセルは、「体だけは丈夫だと思ってたのに…。人生最大のピンチ」と不安な胸中を吐露した。
7年前に性同一性障害特例法施行で身も心も戸籍上も女となったカルーセルが、ひそかに激痛が襲う病魔と闘っていた。
この日、サンケイスポーツの電話取材に応じ、「病気で入院なんて初めてで正直怖いけれど、痛みの原因が分かったので良かった」と率直な思いを告白した。
カルーセルによると、昨年9月ごろから右脛にしびれを感じ始め、今年1月にテレビの新春特番などで多忙になると、痛みが伴うようになったという。
痛みは日に日に激しくなり、右足の太さが左足と比べて2センチも細くなって歩けなくなるほどに悪化。5月上旬に主治医と相談して今月17日に都内の病院で診てもらったところ、下肢血管の動脈硬化により痛みやしびれが起こる「閉塞性動脈硬化症」と診断された。
しかも右足は血管の詰まり具合を知るABI検査と血圧測定で測定不可能となるほどの重症であることが判明。他の部位にも同じ症状が出ている可能性が高く、27日に緊急入院し、精密検査を受けることになった。
症状の進行程度に応じて、薬物療法、針金を通すなどして血管を広げるカテーテル治療、人工血管や静脈を活用する動脈バイパス術などの治療法を決めていくという。
この病気は50、60代以降の糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙など動脈硬化の危険因子を持つ男性に多く発症する病気として知られている。カルーセルは1日平均3箱を吸う愛煙家であることが大きな原因とみられる。戸籍を変更した7年前から女性ホルモンを投与していなかったことも原因の1つに挙げられている。
カルーセルは「最近はタバコも1日10本にしてクソ暑いのにクーラーも入れず部屋を真っ暗にして寝てますよ。絶対に元気になって帰ってきてやる!!」と力強く復活を誓っていた。
(カルーセル麻紀、重度動脈硬化で緊急入院)
閉塞性動脈硬化症とは
閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans; ASO)とは、腹部大動脈または四肢の主要動脈が粥状硬化病変のために狭窄または閉塞して、四肢に慢性の循環障害をきたす疾患です。
国内の国立循環器病センターにおける20年間のまとめによると、同施設の年間症例数は増加傾向を続けており、1980年代前半は年間40例前後であったものが、1990年代前半には年間100例にまで増加しているそうです。
粥状動脈硬化の危険因子を背景としていますが、特に喫煙の影響が顕著です。上肢には少なく、下肢動脈系の大腿動脈、膝窩動脈、腸骨動脈、腹部大動脈の順に多いですが、通常は複数の病変を認められます。病理学的には、粥状硬化病変の潰瘍形成・石灰化・出血・血栓付着のために内腔が閉塞または狭窄を起こしています。
安静時には血管内腔断面積が75%以下になると血流減少が起こります。運動時には安静時の10倍以上の血流が必要とされるため、歩行時などには運動に見合った血流が供給できなくなると、虚血症状が出現することになります。この状態が持続すると側副血行路が発達し始めます。
粥状硬化巣の破裂、血栓形成で急性閉塞が起こった場合には、急激な虚血のために突然罹患側の激しい疼痛で発症します。
診断としては、以下のような方法で行います。続きを読む