「患者様」という呼び方が病院ですっかり定着した。しかし、好きで病気になったわけでもないのに、違和感を感じる人もいる。もともと患者の立場を尊重した医療の実現などを意識して使われ始めた言葉だが、「日本語としておかしい」という指摘もあり、「患者さん」に戻す病院が出てきた。
京都大学病院(京都市)では、昨年末から掲示物やホームページなどの「患者様」という表現を「患者さん」や「患者の皆さま」に改める作業を進めている。院内放送を録音し直し、看板はすべて取り換えた。
呼称の変更は病院の幹部会議で決め、2000人余りの職員に文書やメールで周知した。「様」をつけていいのは「田中様」といった姓の後だけ。一山智・副院長は「院内で違和感があるという声は以前からあったが、患者自身からも『馬鹿にされている感じがする』という意見があった」と言う。
さらに変更の理由の一つに、院内で医療スタッフへの暴力や暴言が多発していることを挙げる。「『患者様』と呼ぶことが直接の原因ではないが、一部の人に誤った意識を助長しているような気がする」と一山副院長は話す。
「患者様」という言葉は、患者本位の医療やサービス向上を意識して一部の病院で使われ始めた。01年に厚生労働省が出した国立病院のサービスに関する指針に、「患者の呼称の際、原則として姓(名)に『さま』を付する」という内容があり、広まったらしい。
00年に「様」を導入した長野県東御市の東御市民病院では03年、「サンさま再検討委員会」が作られた。アンケートの結果、職員、患者とも「『さん』の方が身近で親しみを感じる」という意見が多かったことから、「さん」に戻している。委員長を務めた薬剤師の中山孝子さんは「患者と対等な立場になることが重視される中で、医療はサービスと称してへりくだった態度をよしとする思い違いをしてきたような気がする」と振り返る。ただ、公的性格の強い文書や掲示物では「様」という表現を残しているという。
一方、近畿地方のある大学病院の教授は「教授会で議論して『さん』が良いという結論にはなったが院内で徹底するのは難しい。医師と窓口の職員とでは考え方が違うようだ」と話した。
(「患者様」ちょっと違和感 「患者さん」に戻す病院も)
単に呼称だけを論じるのなら、これほど馬鹿らしい問題はないのではないでしょうか。要は、"患者さん"を呼ぶ際の心持ち次第のような気がします。尊大で失礼な態度を示していない、というのなら「患者様」と呼ぼうが、「患者さん」と呼ぼうがどちらでも良いのではないでしょうか。
現に、「"患者様"と呼ばれて馬鹿にされているように感じた」という方は、医療従事者の"態度"を見て仰ったのではないでしょうか。そういった態度や姿勢の方が問題のような気がします。
たしかに私自身、"患者様"という呼称には、なんだか違和感を感じます。
そもそも、「患者=患った人」ということなので、"様"をつけたところで、敬ったことにはなりえない。
一方、英語のpatientは、「我慢する人間」に由来します。
ラテン語では、「苦しみに耐える、我慢する」を表す動詞ん「patior」の現在分詞が 「patiens」であり、これが英語の「patient」となったそうです。
アメリカの病院では、患者はもはや「patient」ではなく「client」と呼ばれつつあるそうです。マイナスイメージから、解放するような呼称へと変更されつつあるようです。
日本でもいっそのこと、"患者"から「クライアント」に類似した言葉を使うようになってはいかがだろうか。
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京都大学病院(京都市)では、昨年末から掲示物やホームページなどの「患者様」という表現を「患者さん」や「患者の皆さま」に改める作業を進めている。院内放送を録音し直し、看板はすべて取り換えた。
呼称の変更は病院の幹部会議で決め、2000人余りの職員に文書やメールで周知した。「様」をつけていいのは「田中様」といった姓の後だけ。一山智・副院長は「院内で違和感があるという声は以前からあったが、患者自身からも『馬鹿にされている感じがする』という意見があった」と言う。
さらに変更の理由の一つに、院内で医療スタッフへの暴力や暴言が多発していることを挙げる。「『患者様』と呼ぶことが直接の原因ではないが、一部の人に誤った意識を助長しているような気がする」と一山副院長は話す。
「患者様」という言葉は、患者本位の医療やサービス向上を意識して一部の病院で使われ始めた。01年に厚生労働省が出した国立病院のサービスに関する指針に、「患者の呼称の際、原則として姓(名)に『さま』を付する」という内容があり、広まったらしい。
00年に「様」を導入した長野県東御市の東御市民病院では03年、「サンさま再検討委員会」が作られた。アンケートの結果、職員、患者とも「『さん』の方が身近で親しみを感じる」という意見が多かったことから、「さん」に戻している。委員長を務めた薬剤師の中山孝子さんは「患者と対等な立場になることが重視される中で、医療はサービスと称してへりくだった態度をよしとする思い違いをしてきたような気がする」と振り返る。ただ、公的性格の強い文書や掲示物では「様」という表現を残しているという。
一方、近畿地方のある大学病院の教授は「教授会で議論して『さん』が良いという結論にはなったが院内で徹底するのは難しい。医師と窓口の職員とでは考え方が違うようだ」と話した。
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単に呼称だけを論じるのなら、これほど馬鹿らしい問題はないのではないでしょうか。要は、"患者さん"を呼ぶ際の心持ち次第のような気がします。尊大で失礼な態度を示していない、というのなら「患者様」と呼ぼうが、「患者さん」と呼ぼうがどちらでも良いのではないでしょうか。
現に、「"患者様"と呼ばれて馬鹿にされているように感じた」という方は、医療従事者の"態度"を見て仰ったのではないでしょうか。そういった態度や姿勢の方が問題のような気がします。
たしかに私自身、"患者様"という呼称には、なんだか違和感を感じます。
そもそも、「患者=患った人」ということなので、"様"をつけたところで、敬ったことにはなりえない。
一方、英語のpatientは、「我慢する人間」に由来します。
ラテン語では、「苦しみに耐える、我慢する」を表す動詞ん「patior」の現在分詞が 「patiens」であり、これが英語の「patient」となったそうです。
アメリカの病院では、患者はもはや「patient」ではなく「client」と呼ばれつつあるそうです。マイナスイメージから、解放するような呼称へと変更されつつあるようです。
日本でもいっそのこと、"患者"から「クライアント」に類似した言葉を使うようになってはいかがだろうか。
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