お医者になるのは、大変ですね

医学関連ニュースサイト

本当は怖い家庭の医学ザ!世界仰天ニュース(TV)/一般有名人の症例集生活の中の医学

骨粗鬆症

週1回服用タイプの骨粗しょう症治療薬を発売

武田薬品工業と味の素、エーザイは、週1回服用タイプの骨粗しょう症治療薬を発売した。この薬は食物の影響を受けやすい性質を持つため、起床時に服用した後、30分間は横になれず飲食もできない。従来は1日1回の服用が必要だったため、週1回型の発売で患者の利便性が高まる。
 
武田と味の素が厚生労働省から承認を取得していた。武田は「ベネット錠17.5mg」の名称で製造販売、味の素は「アクトネル錠17.5mg」の名称で製造し、販売はエーザイが担当する。
(武田薬品工業など、週1回服用タイプの骨粗しょう症治療薬を発売)


国内では、骨粗鬆症の患者さんは女性が約800万人、男性が約200万人、合計1000万人と推定されています。さらに、高齢化社会に伴ない増加していく傾向にあります。

とくに、女性は、ホルモンのバランスが大きく変化する閉経後、骨の量が急激に減るため、骨粗鬆症になる人の割合が高くなります。結果、軽い転倒などでも骨折しやすくなってしまうといったことがあります。大腿骨の骨折などでは、高齢者ではその後寝たきりになってしまう、ということもあります。

骨粗鬆症で用いられる薬は、以下のようなものがあります。
・ビタミンD3:カルシウムの吸収を増加させ、新しい骨を作るのを助けます。
・カルシトニン:骨密度の減少(溶骨)を抑えて、背骨や腰の痛みを和らげます。
・エストロゲン:骨密度を増加させます。女性ホルモンの分泌が減少する閉経期の女性が対象となります。
・イプリフラボン:骨密度の減少を抑えます。カルシトニンの分泌を盛んにするほか、新しい骨を作るのを助けます。
・ビタミンK2:骨密度の減少を抑えて、新しい骨を作るのを助けます。
・ビスフォスフォネート:骨密度を増加させ、背骨の変形を起こしにくくします。

「起床時に服用した後、30分間は横になれず飲食もできない」というのは、このうち、ビスフォスホネート製剤(一般名:アレンドロネート、リセドロネート、エチドロネート)だと思われます。

この薬は、消化管からの吸収が悪く、食物や他の薬剤と一緒に服用すると吸収が悪くなります。早朝空腹時に服用し、服用後30分は食物を摂らないようにしなければなりません。これが毎日だとイヤになってしまうかもしれませんが、週一回となれば大分ラクになるのではないでしょうか。

【関連記事】
本当は怖い骨粗鬆症−骨密度低下の意外な理由とは

抗がん剤の効き目高める技術とは

本当は怖い骨粗鬆症−骨密度低下の意外な理由とは

本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。

最近ちょっと太り気味なこともあり、夫に誘われて人間ドックを受診することにした専業主婦のH・K(48)さん。オプションで骨密度検査も受けたところ、骨粗しょう症になっていることが判明。医師から、「この数値だと、いつ骨折してもおかしくない」と警告を受けてしまいました。そしてさらなる検査の結果、彼女を骨粗しょう症へと追い込んだ、思わぬ病の存在が発覚します。

「そんな年でもないのに…」とショックを受けていたH・Kさん。精査の結果、実は慢性腎不全であったことが判明します。

日本腎臓学会の調べによると、慢性腎不全の罹患率は、なんと日本人の6人に1人。実に1900万人の患者がいると推測されています。ところがこの病気、発病してもよほど悪化しない限り、ほとんど症状が出ることはありません。そのため、多くの人が病に気付かないまま放置していると考えられるのです。

最大の要因は、日頃の生活習慣。カロリーの摂り過ぎと運動不足です。こうした生活を続けるうち、腎臓の血管で動脈硬化が進行。充分な働きができなくなっていくのです。

慢性腎不全では、腎臓で「活性型ビタミンD3」を作り出すことが出来ないため、骨粗鬆症になってしまいます。活性型ビタミンD3は、腸管でカルシウムの吸収率を高めています。ですので、活性型ビタミンD3を作り出せない状態では、カルシウムの吸収率が減少し、骨粗鬆症になってしまうと考えられます。

生活習慣によっても骨密度の低下を招いてしまうということがあります。
運動不足やカロリーの摂りすぎなどを気をつけ、特に閉経年齢に近づいた女性は、年に一度は(閉経後、急速に骨密度が低下する人もいるため)骨密度のチェックをなさったほうがよさそうです。

骨粗鬆症では転倒などの衝撃で、容易に骨折してしまいます。特に、大腿骨頸部骨折などでは、高齢者の寝たきりの原因となってしまうため、注意が必要です。50歳代の方でも、大腿骨頸部骨折をおこしてしまうことがあります。手術後のリハビリなどの期間を考えると、非常に大きな問題となります。検診などでチェックを受け、場合によってはビスフォスフォネート系薬剤(骨量を増加させる薬剤)やエストロゲンなどの治療が必要になるかも知れません。

【関連記事】
女性が気をつけるべき病・【膠原病】関節リウマチ/シェーグレン症候群

女性が気をつけるべき病・子宮体癌

骨粗鬆症のメカニズムとは:骨細胞が司令塔?

高齢者に多い骨粗しょう症の発症メカニズムを、国立長寿医療センター(愛知県大府市)の池田恭治・運動器疾患研究部長らのチームが細胞レベルで解明した。骨粗しょう症の予防薬や治療薬の開発につながる研究成果として注目を集めそうだ。米科学誌「セル・メタボリズム」(電子版)で報告された。

池田部長と辰巳佐和子研究員らは、骨の中に含まれる「骨細胞」の働きを調べるため、骨細胞だけを死滅させる毒素を、マウスに注射した。その結果、骨を溶かす「破骨細胞」の働きが強まる一方、骨を作る「骨芽細胞」の働きが弱まり、マウスは約1か月で骨粗しょう症になった。

骨細胞は、骨芽細胞が骨を作った後に変化した細胞で、これまでその機能が不明だった。研究チームは実験結果から、骨の再生にかかわる細胞の働きをコントロールする、大本の「司令塔」であると判断した。
(骨粗しょう症発症のメカニズム解明…国立長寿医療センター)


骨粗鬆症とは、骨形成速度よりも骨吸収速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状をいいます。背中が曲がることで現れる骨の変形、骨性の痛み、さらに骨折の原因となります。

骨折は一般に強い外力が加わった場合に起こるが、骨粗鬆症においては、日常生活程度の負荷によって骨折を引き起こします。骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関節の骨折はいわゆる高齢者の寝たきりにつながり、生活の質 (QOL) を著しく低くすることになってしまいます。こうした観点から、骨粗鬆症対策は、高齢者医療にとって非常に重要な項目でもあります。

骨は建築物に用いられる鉄骨などとは異なり、常に骨芽細胞と破骨細胞によって、形成、吸収のバランスが保たれています。骨芽細胞は骨形成を、破骨細胞は骨破壊を行っています。このバランスが崩れることで、骨粗鬆症になってしまいます。

今回の結果では、骨細胞(骨芽細胞が骨を作った後に変化した細胞)が司令塔となり、骨芽細胞や破骨細胞の活動バランスをコントロールすることが分かったようです。この点を臨床的に制御できれば、カルシウム剤やビタミンD補充による治療よりも、より効果的な治療ができるのではないでしょうか。

【関連記事】
米良美一が先天生骨形成不全症の過去を告白

「外傷→骨化で体が動かなくなる」進行性骨化性線維異形成症
ブログ内検索
スポンサードリンク
Archives
本サイトについて
2006年02月27日より運営している医学系ニュースサイトです。
当初はレポートの掲載や医師国家試験の問題解説を行っていましたが、そちらは『医学生のレポートやっつけサイト』に移行しており、こちらは医学ニュースを取り扱うこととなりました。
国内の3大疾病である癌、脳卒中、心筋梗塞から稀な難病、最新の治験・治療法など、学んだことを記していきたいと思います。時には微笑ましいニュースから、社会的な関心事となっている医学の問題、感動的な闘病記など、幅広く取り扱っていきたいと思います。ブログパーツ
記事まとめ一覧